SFA(営業支援)ツールは、営業部門の業務を自動化し、データの蓄積・分析を実現するツールです。この記事では、営業業務の効率化をはかりたい担当者に向けて、SFAツールの概要や導入のメリット、ポイント、注意点を解説します。おすすめのSFAツール10選も紹介するので、SFAツール導入にぜひ役立ててください。
SFA(営業支援)ツールは、営業部門の業務を自動化し、データの蓄積・分析を実現するツールです。この記事では、営業業務の効率化をはかりたい担当者に向けて、SFAツールの概要や導入のメリット、ポイント、注意点を解説します。おすすめのSFAツール10選も紹介するので、SFAツール導入にぜひ役立ててください。
目次
SFA(営業支援)とは、「Sales Force Automation」(セールス・フォース・オートメーション)を略した言葉です。「営業支援システム」とも呼ばれています。主な機能としては、営業部門の業務プロセスの自動化、情報全般をデータ化して蓄積・分析などがあります。
一般的なSFAには下記のような機能が搭載されています。
・予算(予実)と実績を比較できる予実管理機能
・自社の営業と顧客の接触を位置情報や頻度などで可視化する顧客接点情報管理
・顧客情報に紐付いた日報登録機能
・案件別に進捗情報を定量的に記録できる案件管理機能
・営業の活動共有をリアルタイムで可能にする社内SNS連携/ToDo管理機能
・営業リソースの効率を最大化するための分析機能
※そのほか、見積書・請求書・契約書作成機能などもSFAの主機能です。
SFAツールには、名前だけでなく、住所や電話番号、メールアドレスなど幅広い顧客情報をデータベース化し、一元管理する機能が備わっています。顧客管理の機能を利用して、担当者や役職、過去の商談履歴、名刺などのデータをもとに、顧客1人ひとりの営業活動を「見える化」できます。
案件管理機能を利用すれば、営業担当者、客先担当者などの基本情報に加えて、サービス、受注見込み確度、進捗状況、見積もりなどの詳細情報を案件別に管理、把握できます。そのため、案件の状況が明確になり、会議での進捗状況の報告がスムーズです。また、複数の案件を抱えている営業担当者の負担軽減につながります。
行動管理機能を活用することで、営業担当者1人ひとりの営業活動の管理が可能です。顧客への訪問回数や顧客へのコール数といった営業行動や提案商材数、受注率などの結果までを数値化して記録できます。そのため、管理者は営業担当者1人ひとりの状況が把握しやすくなります。
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SFAツールには、案件管理だけでなく、商談を管理する機能も整っているため、商談状況がリアルタイムで可視化され、受注確率の向上につながります。商談管理機能の例には、以下のものがあります。
・過去の商談履歴
・商談目的
・商談日時
・商談の担当者
・決裁者提案書
・提案金額
・商談の進捗状況
・次回アクション予定機能
フォーマットの活用や他の営業担当者・責任者への通知機能などにより、商談管理業務が簡略化できるため、営業担当者の負担軽減につながるでしょう。また、入力した商談目的や日時、担当者などの情報は管理者やマネージャーと共有できます。
SFAツールには、売上予測と実績を可視化できる予実実績管理機能が備わっています。担当者や案件、部署・部門など、多角的な視点から売上予測と実績を可視化できます。設定した営業目標が明確になるので、現状を把握しやすく達成度の管理も容易です。また、蓄積されたデータを活用して精度の高い分析が可能です。
CRMとは、「Customer Relationship Management」(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)を省略した言葉です。「顧客管理」「顧客関係管理」とも呼ばれています。CRMには、顧客に関わる情報を一元管理できる機能があり、主な役割は顧客データの管理分析です。一方で、SFAの主な役割は各種管理と営業活動の効率化です。役割以外に、CRMは顧客視点、SFAは営業担当者視点といった違いもあります。
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MAとは、「Marketing Automation」(マーケティング・オートメーション)を略した言葉で、マーケティング活動を支援するためのツールです。営業活動を支援するSFAツールとは異なり、リード情報の管理やメール配信などの機能を利用した効率的なマーケティング活動を目的としています。また、SFAは営業担当者の利用を想定しているのに対し、MAはマーケティング担当者の利用を想定しています。
SFAツールを利用すれば、営業活動のプロセスや進捗状況、顧客との関係性などを可視化できます。これにより、これまでは限られた一部しか把握していなかった個々の営業活動も、リアルタイムで把握、共有が可能です。また、営業活動を可視化することで、受注のさまたげとなるボトルネックの発見や課題の解決、売上予測分析などにもつながるでしょう。
SFAツールには、活動報告業務をサポートする機能や顧客情報、案件情報を一元管理できる機能などが備わっています。そのため、案件や顧客の情報、訪問回数や受注確度など、営業活動に関する必要な情報を検索機能で簡単に見つけられます。また、活動報告や資料、見積もり作成などが簡略化できることにより、営業担当者の活動業務の効率化にもつながるでしょう。効率化をはかれることで、顧客との商談やアポイントなどの業務に多くの時間を費やせます。
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営業の属人化とは、特定の従業員のみが、業務の詳細内容や進捗を把握している状態を指す言葉です。SFAツールを利用すれば、進捗状況や顧客のデータを共有できるので、属人化の防止にもつながります。また、従来は営業担当者の移動や退職などで失われていた知識や情報、体験などの蓄積も可能です。企業にとって、必要なデータや情報が失われないため、営業スキルの向上、教育コストの削減にもつながります。仕事の引継ぎが容易になるため、安定した営業活動が実現できるでしょう。
関連記事>> 営業の属人化が起こる原因と7つの解決策を徹底解説
現場の従業員が、積極的にSFAツールを使用できる状況を作ることが大切です。そのためにも、SFAツールの活用により得られるメリットを現場に周知しましょう。SFAツールを導入する前の研修では、使い方や機能の解説だけでなく、メリットについても説明する時間を設け、営業担当者にきちんと理解してもらうことが求められます。
SFAツールの導入にあたっては、従業員全員がツールを利用できることが理想です。そのためには、SFAツールの運用における社内体制の構築と周知はもちろん、社内研修の実施が重要です。操作方法や機能の活用方法を学ぶ機会や、実践トレーニングの機会を設けましょう。あわせて、SFAツールの使用時の困りごとに備えて、サポート体制が充実しているツールを選ぶと良いでしょう。
SFAツールを導入したら、KPIの設定をしましょう。KPIを設定することにより、営業担当者が取るべき行動が明確化されます。KPIとは、訪問件数、成約率、営業案件数、顧客単価など、目標の達成度合いを評価する指標です。KPIを達成するために、SFAツールを用いて、進捗確認の正確性を高められます。SFAツールを継続して利用するためにも、KPIを設定、効果測定を実施し、PDCAを回して明確になった改善点への対処が必要です。
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SFAツールを適切に運用するためには、顧客情報や売上実績などのデータを、毎日確実に入力する必要があります。しかし、入力する項目が多いと、詳細なデータを蓄積できる一方で、営業担当者の負担が大きくなりかねません。
SFAツールを自社に定着させるためには、入力必須の項目を必要最低限まで減らしましょう。入力のしやすさや使いやすさなども詳しく調べ、営業担当者の負担が少ないツールを選ぶことが大切です。
SFAツールを導入したら、定期的に営業担当者1人ひとりの入力状況を確認しましょう。先述したとおり、SFAツールの導入を成功させるためには、KPIの効果測定をしながらPDCAサイクルを回す必要があります。従業員が必要なデータを入力していない、SFAツールを使いこなせていないなどの課題が散見されたら、適切にフォローをしましょう。課題や問題点を指摘するだけではなく、入力内容でよい点があれば直接伝え、詳細な入力へのモチベーション向上も心がけましょう。
SFAツールは、簡単に利用できるものを選びましょう。先述したとおり、自社の従業員が全員使いこなせるツールを選ぶ必要があります。一覧から必要な項目を選ぶだけで入力が完了するものなら、従業員の負担が減らせるでしょう。画面の見やすさや操作のしやすさも、SFAツールを選ぶ基準となります。あわせて、スマートデバイス対応のものを選べば、出先や移動中でも入力が可能です。
SFAツールを導入したら、結果が求められます。成果を上げるためには、収集したデータの活用による営業プロセスの改善をはじめとする、効果的な運用が欠かせません。導入したツールを自社の営業部門に定着させるためには、システム運用の試行錯誤が必要です。ツールを選定する際は、さまざまな問題や疑問点、トラブルが生じたときに、的確にアドバイスをくれるか、解決案を提示してくれるかなど、運用のサポート体制がどれだけ整っているかを確認しましょう。
SFAツールは、多くの企業で導入された実績があるものを選びましょう。導入実績が豊富なツールは、システムについての情報や営業プロセスの改善・効率化に関する知見も豊富です。また、機能や操作方法に関する質問やトラブルが発生したときの解決方法など、多くのノウハウも蓄積されています。つまり、導入実績が豊富であればあるほど、ツールの稼働が安定しているといえます。ツールを選ぶ際は、サポート範囲や内容についても事前に把握しましょう。
SFAツールは、導入コストとランニングコストが発生します。それぞれのコストが適正であるかは、SFAツールを選ぶ際の重要な観点です。営業ツールの傾向として、多機能になればなるほど、導入や運用のコストは高まります。コストを度外視して多機能のツールを選んでも、従業員が使いこなせなければ意味がありません。ツールを選定する際は、費用対効果や自社に必要な機能が網羅されているか、自社で代替可能なリソースがないかなど、多角的に検討するようにしましょう。
他のシステムとの連動性があれば、幅広いジャンルでのデータ収集が可能です。SFAツールは、自社で活用している他のシステムとの連動性が高いものを選びましょう。その際、現状だけでなく、将来的に事業が拡大したときのことも想定する必要があります。他部門のシステムと連携できるかなど、拡張性も事前にチェックしましょう。
UPWARD株式会社では、CRM・SFAの価値を最大化するモバイルCRM「UPWARD」を提供しています。顧客データを“貯める・活かす”ことを軸に、SalesforceやMicrosoft Dynamics365といったCRMと連携し、多様なサポート機能を提供します。
「UPWARD」を活用することで、スマホ一つで簡単にお客様のプロファイル情報、商談履歴、活動報告等の顧客データを半自動的にCRMへ蓄積します。現場の担当者が営業日報や活動報告を作成する際は「UPWARD」上に自動で報告フォーマットが作成されるだけでなく、音声入力対応により、スキマ時間に簡単に活動報告が可能です。
日々入力されるデータは地図上で可視化され、次に訪問すべき顧客が直感的に分かります。いつもの「行きやすい先」ではなく、本当に「行くべき先」へ 、戦略的な訪問活動が誰でも可能です。
より詳細な情報については下記URLからサービス資料をダウンロードいただけます。
資料ダウンロードはこちら
株式会社マツリカのSFAツールMazrica Salesは、顧客情報や名刺、案件の進捗管理など営業管理に必要なすべての情報を一括管理できる使い勝手に優れたツールです。各担当の進捗状況を直感的に共有できる案件ボードを搭載しているうえ、名刺や議事録のスキャン、自動文字起こしにも対応しています。面倒なデータ入力が、モバイルアプリからワンクリックでできるため、営業担当者の負担を減らせるでしょう。
ソフトブレーン株式会社のeセールスマネージャー Remix CLOUDは、サーバーやソフトウェアなどのシステムを自社の設備内に設置して、自由にカスタマイズできる特徴があります。また、営業プロセスの見直しや使い方、困ったときの問題の解決策など、導入までの研修サポートが充実しています。
ブルーテック株式会社のKnowledge Suiteは、SFAやCRM、ビジネスアプリケーションなど、さまざまな機能を連動できる特徴があります。それぞれのツールは、タブの切り替えだけで簡単に利用できます。ツールを使用できるユーザー数に制限がないため、低コストでの運用が可能です。
株式会社ジーニーが提供するGENIEE SFA/CRMでは、「設定」「入力」「分析」の操作が直感的にできます。コミュニケーションツールや、帳票作成機能、基幹システムとの連携により、営業活動の効率化が可能です。また、カスタマイズ性が高く、ツールや業務フローに合わせた追加開発にも対応しています。
サイボウズ株式会社が提供するkintoneは、プログラミングの知識がなくても、ノーコードで業務支援アプリの作成が可能なSFAツールです。導入から効果をだすまでのサポートが充実しています。自社の業務や営業活動に合わせてSFAを構築可能です。データを管理・集計・共有するほか、 複数のデータをkintone上で一元管理できる機能も備わっています。そのため、あらゆる角度から分析が可能です。
株式会社ジオコードが提供するネクストSFAは、SFA・CRM・MAのすべての機能を搭載しているクラウド型SFAツールです。スマートフォンやパソコンなどの端末があれば場所を問わず、リアルタイムに営業情報の入力・確認ができる利便性が特徴です。案件管理画面では、ドラッグ&ドロップでフェーズや確度を変更できたり、商談記録の登録をクリックのみで完了できたりするなど、使いやすさに定評があります。その結果、定着率は97.2%を誇ります。
株式会社ジャストシステムのJUST.SFAは、ダッシュボードをはじめとしたSFAの機能をノーコードで自由にカスタマイズできる特徴があります。外部のシステムやサービスと連携するためのAPIを搭載し、顧客管理や売上管理、チャットツールなどの外部システムと連携が可能です。
株式会社ハンモックのホットプロファイルは、クラウド型名刺管理・営業支援ツールです。「新規開拓」「名刺管理」「営業支援」の3つの営業プロセスを一括管理できる特徴があります。また、専任スタッフによるサポート体制も充実しています。
株式会社NIコンサルティングのSales Force Assistantは、AI秘書が現場の営業活動をアシストする営業支援・情報共有ツールです。商談内容は、日ごとに表示・管理できるため、必要な情報の管理、共有がスムーズです。
「VyNDEX」は、システム内の情報をExcelから編集できる便利なSFAツールです。使い慣れたExcelを使用してSFA内のデータの検索や絞り込み、並べ替えなどを行えるとともに、データの一括メンテナンスや入力にも容易に対応できます。一括メンテナンスを通じて大規模な取引先情報や商談データを効率的に更新できるので、作業を時短化でき、かつオフラインでも作業できるのがメリットです。
株式会社クボタは、全国の農家に向けて、農機の販売やメンテナンス、営農の提案などの事業を展開しています。「UPWARD」導入前の業務課題として、フィールド営業スタッフの提案内容が多様化しており、事務作業や管理業務に時間が取られて、顧客訪問のために十分な時間が取れずにいました。「UPWARD」の導入により、営業担当者は営業所での事務作業にとらわれずに、農家の活動時間に合わせて訪問が可能になりました。また、「UPWARD」のMAP機能により、営業担当者の訪問状況を地図上に可視化でき、訪問活動の活性化や効率化につながっています。
株式会社クボタ 事例インタビュー>> 国内販売会社全13社へ導入し顧客接点の質を大幅に向上。 フィールド営業の機動力を取り戻し原点回帰
株式会社クレハは、ラウンダー業務の管理に「UPWARD」を活用した結果、業務の負担が軽減しました。株式会社クレハの包装材事業部では、店頭での売り場づくりと販売促進を担うラウンダー業務の管理を行っています。既存のシステムでは、スマートフォンからの入力に適していないため、担当者は現場での業務完了後に自宅や事務所からパソコンでデータを入力する必要がありました。「UPWARD」を導入した結果、スマートフォンからの活動報告が可能になり、報告時間が平均20分から7分に短縮され、一定の成果を実現しています。
株式会社クレハ 事例インタビュー>> ラウンダーの負荷を軽減し、メーカーと実店舗のコミュニケーションを深化。報告時間65%減でライフワークバランスも向上
ソフィアメディ株式会社では、訪問看護事業を軸に高品質な在宅医療サービスを提供しています。
メイン業務であるルート訪問に「UPWARD」を導入したことで、どこに訪問し、利用者とどのような話をしたか「見える化」を実現しています。その結果、「UPWARD」のMAP機能による訪問の効率化や「UPWARD AGENT」による事務作業の負担軽減で、営業先への訪問回数が増える成果が生まれています。
ソフィアメディ株式会社 事例インタビュー>> 月間面談数150件UP。活動量を最大化しつつ、蓄積されたデータを基盤に「量」から「質」へのシフトに挑む
その他のUPWARDの導入成功事例についてはこちらで詳しくまとめています。
SFAツールを活用するためには、ツールへ名前や住所、電話番号などの顧客情報、案件の進捗情報などを入力する必要があります。入力項目が多いと、営業担当者は負担に感じます。すると、入力が適切に行われず、SFAツールを導入するメリットが、社内で共有されません。入力項目は、営業担当者の負担を考慮して、精査しましょう。必要か判断に悩む項目は外し、最低限の項目のみを選びます。運用後、必要な項目があれば都度追加する方法が望ましいでしょう。
SFAツールに限らず、新たなツールを導入するときは費用が発生します。SFAツールを導入する際は、自社の課題を明確にして、課題を解決できる機能があるものを選びましょう。しかし、どれだけ自社に合った機能が備わっていたとしても、従業員が使いこなせなければ、かえって非効率になりかねません。従業員が使いこなせるツールを選び、適切に運用すれば、業務効率化、営業活動の可視化など、費用対効果が高い結果がもたらされます。
SFAツールとは、案件や顧客の情報や進捗状況など、営業部門の業務プロセスを自動化して、情報全般の蓄積・分析を行うツールです。SFAツールのメリットを最大化させるためには、情報を適切に入力し、データを蓄積する必要があります。そのため、SFAツールを導入する際は、導入実績や運用コストなどを加味して、自社に適したものを選びましょう。