「営業支援ツール」や「営業支援システム」というと、どんなサービスをイメージするでしょうか? 営業アシスタントをつけて、見積書などの営業事務などの業務を分担することで業務負担・負荷を分散する、セールステック系のツールを導入し、顧客情報を整理統合する…など、さまざまな業務を思い浮かべることかと思います。しかし、それらのサービスは本当に現場の生産性を高め、ツールなどの新しく投資した費用も含めた投資対効果について、成果をもたらしているのでしょうか? 本稿では、営業の現場で支持される、組織にとって本当に役立つ、「営業支援」の考え方と、効率化につながる「営業支援システム」についてご紹介します。(更新日:2023年8月23日)
営業支援とは、営業担当者が抱える様々な業務の効率化を行い、生産性の向上を図ることを指します。現場から歓迎・支援される営業支援を実現するには、どのような目的で、どのような成果で、何を期待するかについて、明確にしなければなりません。
現場から歓迎される営業支援を行うためには、営業の業務プロセスを分解・可視化し、出てきたそれぞれの課題に対して的確に解決していくことが重要です。その結果として、営業担当者が活動に専念して取り組める時間が増え、売上の拡大と収益性の向上につながれば、営業支援がうまく機能しているといえるでしょう。
最終的に売上の向上につなげるためには、現在の営業部門の問題点・課題点・要望を具体的に吸い上げ、営業支援のタスクとして取り入れていくことが必要です。漠然とした課題のまま、営業支援を行うことだけは避けなければなりません。目的が不明確なまま営業支援をしても、おのずから失敗してしまう可能性が高くなるでしょう。
後半で詳しく解説しますが、営業支援システムを使うのも効率化に有効な方法です。営業支援システムは「SFA」と呼ばれているもので、営業プロセス管理や予実管理、グループウェアなど、営業活動を効率化する機能が備わっています。
Excelベースでの営業活動・顧客管理をやめて営業支援システムに切り替えるだけで、煩雑な営業業務から解放され、業務効率化が進むでしょう。
たとえば、スマホやタブレットでExcelを操作できますが、パソコンと比べると扱いにくいですよね。Excelで報告業務を行っている場合、「スマホでも手軽に入力できたら…」と不満を感じている方も多いことでしょう。
「UPWARD」のようなモバイル対応をしている営業支援システムであれば、スマホやタブレットからでも簡単にデータ入力や報告業務ができます。移動時間や待ち時間にモバイルで報告業務を行えば、残業時間の削減につながるでしょう。
このように、営業活動の生産性向上には営業支援システムを活用が有効です。
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ここからは、営業支援を行うにあたっての、考え方や注意点について解説していきます。
営業担当者の売上管理や行動の把握など、マネジメント層の意向ばかりを反映したような、管理強化だけを重視した営業支援は、現場で定着しません。それどころか、実務層からの反発が起こってしまいかねないです。
たとえば、上層部やシステム担当者のみで導入やフローなどを判断して営業支援システムを導入し、情報入力を強制するような状況になってしまうケースがあります。現場での情報入力がされていれば、まるで管理ができているように見えるため、営業支援が上手に運用されているように思われがちです。
しかし、その入力を実際に行う現場の営業担当者は、情報入力を強制されるため、その入力作業により業務量が増えてしまいます。結果として営業本来の実務に割ける時間を減らすことになるため、以前と比べて生産性が低下してしまうケースも出てきます。これは、営業支援が「業務の効率化や売上の向上」を目的としていることを忘れ、「情報の入力をする」ことが目的にすり替わることから生じる悪い例です。
こういったケースでは、現場の業務実態を把握せずに、上層部やシステム担当者だけで営業支援を導入したことに原因があります。管理強化だけのために実務層に押し付けるのではなく、営業部門との具体的な課題・要望を共有し、関係者全体で納得感のある目的認識を持つことが大切です。
営業支援は、営業担当者の負担・負荷を減らし、商談や提案など売り上げの向上に集中できる体制を目指すものでなくてはなりません。
本来の営業活動以外で、営業担当者の負担・負荷となる主な業務は、営業日報作成などの事務処理、会議やミーティング、資料などの情報共有などです。また、移動時間が長いと、それだけで取引先との商談時間は減ってしまい、営業担当者の負担・負荷になります。
現在では、ITの進化を中心とした効率化が進んでいて、営業支援システムがスマホなどのマルチデバイス対応が当たり前になってきています。モバイル端末を活用すれば、外出先でも移動時間を利用して、簡単に営業日報の作成や情報共有をすることが可能です。
また、会議やミーティングについても必ずしも社内で行う必要はなくなりました。このような、営業担当者の商談や提案に集中できる体制づくりは、営業支援システムを導入することで、実現できる可能性が高くなってきています。
営業支援を成功させるためには、実際の営業現場から歓迎される内容でなければなりません。そのために、営業部門の問題点や課題点、要望などの情報を具体的に吸い上げ、営業支援に取り入れていくことが重要になります。
とはいえ、その課題にどのような内容の営業支援が適確なのか、また、何を選択しどのように進めていくかについては、関係する部門と連携して共通の認識下で選択をしていくことが重要です。
この章では、実際の営業支援を行うにあたり、どのようなステップを踏んでいけば目的を達成できるのかするのか、具体的に解説していきます。
業務プロセスを可視化して、課題のあるポイントを明確にすることが1つめのステップとなります。
まず、業務プロセスを要素ごとに分解して可視化します。実はここが1番重要なポイントです。一度にすべてを行おうとせず、考えられる様々な業務プロセスを多面的に抽出することが大事です。
業務プロセスには、大きく分けると、「商談に関わること」「事務処理」「その他」になります。また、それぞれをさらに細かく分解することも可能です。
たとえば、一般的な商談に関わるプロセスは、「リスト」→「アポ取り」→「初回訪問」→「提案」→「商談」→「クロージング」→「受注」といった流れになります。
次は、可視化された業務プロセスのなかで、課題のあるポイントを探していきましょう。
たとえば、「アポを取るリストがない」「既存顧客の対応で忙しく、新規のアポ取得ができない」「提案したいが、資料を一から作成しなければならず、時間がかかる」というように課題を探っていくことで、多くの課題が明確に見えてきます。
続いて、明確になった課題を、「無くす」「減らす」「変える」の順に、対応を検討していきます。
「無くす」は、もっとも簡単で効果が高い方法ですが、無くすことによる“弊害”が出る可能性も考えながら検討しなければなりません。しかし、今までの習慣により惰性で行っていた業務である場合も多いので、思い切って無くせるものは無くしましょう。
「減らす」は、業務量を減らすことです。たとえば、営業日報の内容であれば、「本当に必要な項目なのか」を検討しながら、不要な部分は思い切って減らしていきます。
「変える」は、「無くす」や「減らす」ができない業務の課題の場合に使います。たとえば、その課題に対して、「やり方を変える」「やる人を変える」といった方法があります。
『業務プロセスを可視化し課題を見つける』 → 『「無くす」「減らす」「変える」の順で対応を検討する』の2つのステップを実践することにより、営業支援の成功に近づくでしょう。ただし、1つ1つのステップは非常に時間がかかり、営業プロセス全体の影響も考える必要があるため、大変な作業でもあります。
上記の営業支援を成功させるためのステップを効率よく実施するには、営業支援システム(SFA)や顧客管理システム(CRM)の活用が効果的です。CRMやSFAを導入することで、時間のかかる営業支援の見直しを短期間で実現できます。
営業支援システムや顧客管理システムは、顧客情報や案件情報の「見える化」を可能にするツールなので、Excelや紙での管理と比べると、圧倒的に効率がいいです。ステップ1の「営業活動の業務プロセスを可視化」は、営業支援システムの管理機能を使えば効率的に実行できます。
企業システムのクラウド化が進んでいる現在、Excelや紙ベースでの営業管理は非効率と言わざるをえません。もともとExcelは表計算用のソフトなので、営業管理や顧客管理で使うには機能が不十分です。
営業支援システムは営業管理に特化した機能を備えているので、Excelよりも使い勝手に優れています。顧客管理システムと連携できるツールを選べば、営業管理も顧客管理も同時にできるので効率的です。
営業支援システムのクラウド化に難しさを感じている方も多いと思いますが、オンプレミスで実装するよりもハードルが下がります。なぜなら、クラウド対応の営業支援システムであればサーバーの設置も設定も不要なので、導入が容易だからです。
コスト面に関しても、オンプレミスは初期費用が高額になりますが、クラウドはシステムの用意が不要なので初期費用を抑えられます。エンジニアがいなくても導入できるので、自社でシステム開発ができない企業こそクラウドを使うメリットがあります。
営業支援システムの場合も同じです。たとえば、「UPWARD」はユーザー数に合わせて柔軟にライセンスを追加できますし、オンプレミスのようにサーバー補強の必要もありません。少人数からでも利用できるので、ユーザー単位の料金体系なので無駄なコストが発生しません。
自社で営業支援システムの構築が難しい場合、コストを抑えて導入は、クラウド化を検討してみてください。
たとえば、アサヒフィールドマーケティング株式会社では、営業支援システムの「UPWARD」の機能を使って店舗情報を地図上で可視化することにより、営業支援の効率化を実現しました。「UPWARD」では本部からの業務指示をスマホで確認できるので、優先的に実施すべきことをいつでも担当者へ伝えられます。
(UPWARD導入事例:アサヒフィールドマーケティング株式会社様)
ステップ2の「無くす」「減らす」「変える」に関しても、顧客管理システムや営業支援システムが大いに役立ちます。営業効率を上げるには、無駄をなくさなければなりません。
しかし、漠然とExcelや紙ベースのデータを眺めても、どこに無駄があるのかを突き止めるのは難しいですし、時間もかかります。特に訪問先の訪問ルートづくりは時間のかかる作業で、どうにか効率化できないかと思案している担当者は多いことでしょう。
「UPWARD」は、世界で最も使われているCRM「Salesforce」と地図・位置情報(GPS)との連携が可能で、この機能を使うことで訪問ルートづくりにかかる時間を大幅に短縮できます。
ひとつ事例を紹介すると、業務店向けコーヒー機器の製造・販売からメンテナンスまでを全国ネットワークでトータル的にサポートしているラッキーコーヒーマシン株式会社では、全国のメンテナンス依頼を効率的にエンジニアにアサインするための仕組み作りを行ない、活動効率UPを実現しました。こちらも「UPWARD」の導入による効果で、ペーパーレス化の実現や人件費の削減なども行い、トータル1億円規模の業務改善も行なわれました。
(UPWARD導入事例:株式会社ラッキーコーヒーマシン様)
このように、CRM/SFAは営業支援の効率化を実現することができます。業務の無駄が減れば、社員の負担が減りますし、営業に充てる時間が増え、売上アップにつながります。
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営業支援の成功は、営業現場から歓迎される内容であることが大切です。そのために営業プロセスを可視化し、課題を明確にする2つのステップが必要になります。
課題を見つけたら、「無くす」「減らす」「変える」の順で対応を検討すると、より営業担当者の業務の効率化につながる営業支援が可能になるでしょう。顧客管理システムや営業支援システムの導入も選択肢に入れながら、生産性や売上の向上につながる営業支援を目指しましょう。