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BANTとは?営業が知っておくべきフレームワークを徹底解説

法人営業を担当している方なら、顧客と確認すべき重要な項目があることは周知の事実です。例えば、予算や希望納期は契約前に確認しておく必要があり、そうしないと顧客の要望を満たせず、クレームにも発展しかねません。こうした法人営業で確認が必須な条件は「BANT」と称されています。本記事では、BANTについて解説し、営業活動で活用する方法を解説していきます。

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目次

BANT(BANT条件)とは?

BANT

BANT(情報)とは「Budget(予算)」「Authority(決済権)」「Needs(ニーズ・需要)」「Time frame(導入時期)」の頭文字をとった略語です。法人営業における顧客への質問の基本フレームワークといわれています。


日本ではまだなじみが薄い単語ですが、SFA/CRM先進国であるアメリカなどでは法人営業活動に必須の条件として定義づけられており、SFA/CRM上での受注確度を決定する要素として活用されています。
※SFA…営業支援ツール
※CRM…顧客管理システム

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Budget(予算)

製品やサービスを導入するための予算です。商談に入った後、比較的早い時期に確認する必要があります。顧客の予算に応じて提案内容が変わるケースもあるため、把握が遅れると営業が後手に回ることも。
ただし、新規顧客などリレーション(関係値)が構築できていない場合、顧客側が正直に答えてくれず、なかなか本音を聞き出せないこともあります。その場合は、競合事例などを提示して慎重に探りを入れるなどの工夫が必要です。

Authority(決裁権)

営業のアプローチは決裁権を持った相手に対して行うのが基本です。窓口担当者ではなく、決裁権を持っている相手に直接交渉することで迅速なクロージングにつながります。
ただし、会社によっては商談金額によって決裁権者が変わることもあるため、商談ごとに決裁権者の確認が必要になってきます。

BANT条件では、決裁権者の確認も重要な要素です。決裁権を持つ人を見極めてアプローチすることで、クロージングの確度を高めるのです。

Needs(ニーズ)

営業では、顧客のニーズの有無をしっかり確認することも重要です。組織全体のニーズなのか、担当部署だけのニーズで全社の承諾を得ていないのか。あるいは担当者個人のニーズにとどまっているのか。ニーズの範囲によっても商談の優先度は変わります。真のニーズを掴むには、単に「欲しい」という表面的な希望だけでなく、「なぜ欲しいのか」を探ってみましょう。ニーズを深堀りしていけば、紐付いた課題にたどり着くはずです。その課題の解決方法こそが真のニーズといえるでしょう。

Time frame(導入時期)

BANT条件では、導入時期もヒアリングをします。受注が決まっていなくても、具体的な導入時期が決まっているのか否かを確認しましょう。決まっている場合は優先度が高い、そうでない場合は低いといった判断ができます。
導入時期がわかっていれば、こちらも予定が立てやすいです。
早い導入を希望しているなら、競合に先を越されないようにアプローチをかけたほうがよいでしょう。
ただ、法人の場合、多くは決算期に左右されるため、予算消化優先で納品は後回しのスケジュールということも考えられます。導入時期が先であっても、案件管理のために把握しておきましょう。

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BANTを営業活動で使う際のコツ

では、BANTを営業現場においてどのように活用するか、そのコツを4つピックアップしました。順にご説明します。

予算は真っ先に把握する

当然ですが、予算規模によってこちら側の体制も変わってきます。予算は営業だけでなく、その後の開発や製造プロセスにも影響してくるものです。そのため、予算規模を最初に把握し、商談から納品までのプロセスをシミュレーションしておく必要があります。

決裁ルートを確認する

いきなり担当窓口に決裁権者を聞いても答えてくれるとは限りません。逆に、自分を飛ばしてアプローチされるかもしれないと考えて口を閉ざすこともあります。
この場合は決裁ルートや稟議手順を聞くことで、最終決裁権者を推測します。

「最終的な決定はどういったプロセスで…」というように、さりげなく聞いてみましょう。
中小企業であれば決裁ルートはシンプルであることが多いですが、大企業だと複雑であることが多いです。決裁ルートが複雑であってもゴールがわかっていれば、アプローチの戦略を立てられます。

根回し方法を確認する

多くの企業では、稟議前の報告会やミーティングなどで「根回し」が当たり前に行われています。いきなり高額の稟議書が回ってきても、そのまま承認する組織などありません。
顧客の社内では、そのような根回しがどのようなタイミングで、どのように行われているのかを確認しましょう。場合によっては根回しに同席するといった技も必要です。

スケジュールを提案する

緊急の課題(ニーズ)でない限り、商談開始の段階ではスケジュールが漠然としています。その場合、納期を仮設定してスケジュールを提案することで、顧客側での具体的なイメージが構築されます。顧客の考えるスケジュールは楽観的なことが多いです。

スケジュールがあいまいだと、営業側は後で苦労することがあります。BANT条件に「Time frame(導入時期)」が含まれているのは、このためです。
顧客側で導入スケジュールが決まっていないのであれば、こちらから案を提案してみましょう。

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BANTを使う際の注意点

このように法人営業の基本となるBANTですが、注意すべきポイントがあります。特にSFA/CRMの情報源としてBANTを使う場合は、以下の点に注意しておきましょう。

BANTは営業のヒアリングにより設定する

SFA/CRMを導入している場合、マーケティング部門がニーズを決定することがあります。たとえば、展示会アンケートなどで「購入予定はありますか?」の問いに対し、「ある」と回答した顧客はニーズありと判断するというケースです。
しかし、このようなアンケートに正直に回答する顧客は多くありません。あくまでも建前がそうであって本音は違うかもしれないのです。
したがって、BANTに関する情報は、営業が直接顧客にヒアリングして情報を集めてくる必要があります。顧客の属性(資本金や社員数)やマーケティング情報は参考程度にとどめておき、直接ヒアリングした情報を基にBANT条件を設定しましょう。

日本企業のカルチャーを考慮する

BANTはそもそも欧米で生まれた概念であるため、国内企業の実情にそぐわない点もあります。たとえば、購入権限と予算権限の決裁者が異なるなど、日本企業特有の「めんどくささ」があるため、BANTだけで商談レベルを決めるのは難しいのです。
SFA/CRMの条件設定においても、このような事情を考慮しなければ効率的な運用はできません。企業に合わせてBANT条件での商談優先度を大きくカスタマイズする必要があるでしょう。

営業は"話す"より"聞く"が重要

当然ですが、営業は顧客の話を聞くことが重要です。BANTもヒアリングを基に設定されるため、顧客の話を上手に引き出すトークスキルが備わっていなければ、上手に使いこなすのが難しいでしょう。
一方的に提案するだけでは、BANTの効力は発揮されません。顧客が何を求めているのか(ニーズ)。どれくらいの予算を持っていて、決裁権は誰にあるのか。具体的な導入時期は決まっているのか。BANTにもとづいてヒアリングしておくと、営業アプローチの仕方が変わってきます。営業戦略を立てる上で、BANTは外せない条件です。

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おわりに

SFA/CRMの普及とともにBANTの概念も広がりつつあります。これまで感覚に頼ってきた商談の優先順位や受注確度などは、BANTによって「見える化」され、属人性を無くした営業展開が可能となってくるでしょう。ただし、BANTの使い方にはいくつかの注意が必要ですので、それぞれの活用方法をしっかりと理解した上で導入に取り組むようにしてください。

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