カスタマーサクセスとは、どういう概念かご存じでしょうか?直訳すると”顧客の成功”となるため、ある程度イメージすることはできますが、正確な役割や意味を理解している方はそれほど多くはないでしょう。
同様の意味を持つ言葉として、カスタマーサポートや顧客満足・顧客体験なども挙げられますが、具体的な違いを理解せず混同して使われるケースも散見されます。
そこで本記事では、カスタマーサクセスの概念や必要とされる理由、そして同様に使われるカスタマーサポートなどの用語との違いについて解説いたします。(更新日:2023年8月22日)
カスタマーサクセスとは、自社の顧客を成功に導くための企業活動全般を指す言葉です。
自社の提供する商品やサービスを通じて、顧客の課題解決を支援する活動と言い換えることもできます。
カスタマーサクセスを用いることで自社のファンを増やし、結果的に自社の商品やサービスを長く使い続けてもらう。
こうした結果を得られるのがカスタマーサクセスのメリットです。
カスタマーサクセスという概念は、主に外資系企業で多く用いられており、近年では国内の企業にも徐々に浸透しつつあります。
カスタマーサクセスが生まれた背景にあるのは、市場の成熟により個々のサービスの差別化を図る必要が出てきたからです。あわせて、サービスをサブスクリプション(一定の期間、定額有料で利用する契約)で提供するビジネスモデルが登場したことなどが挙げられます。
単に商品やサービスを提供して終わりではなく、リピートや継続利用が企業の収益に直結するようになってきたということです。
同様の言葉としてカスタマーサポートという概念があります。カスタマーサクセスが企業側から顧客に能動的に働きかけるアクションであるのに対し、カスタマーサポートは顧客からの要望に応じて対応する受動的なアクションを行う企業活動です。どちらも顧客に対する働きかけであることに変わりはありませんが、企業と顧客のどちらから働きかけるか、という点に違いがあります。
わかりやすい例でいうと、コールセンターによる問い合わせ受付やクレーム処理などがカスタマーサポートの具体的な方法です。組織としては、顧客からの問い合わせがあってはじめて機能します。問い合わせ内容に応じて適切な解決策を提案するというスタイルです。
どちらも顧客満足度を上げるという共通の目的を有しているため、カスタマーサクセスとカスタマーサポートは車の両輪と例えられることもあります。
カスタマーエクスペリエンスは顧客体験(CX)と称されることもあります。カスタマーサクセスと同じく顧客に対して積極的に働きかける活動ではありますが、カスタマーエクスペリエンスは少ない機会でより熱いファンになってもらうという意味合いが強い活動です。
たとえば、スターバックスなどはカスタマーエクスペリエンスを実践しています。上質な空間演出と電源やWi-Fiの整備。そしてフレンドリーなスタッフ。すべてが顧客の居心地の良さに向けられており、ふらっと立ち寄っただけでファンになる仕組み作りを実現しています。また、コーヒーに関するセミナーなども行い、継続したファン作りに余念がありません。
ではここで、カスタマーサクセスの役割について見ていきましょう。カスタマーサクセスを行うには、顧客を成功に導くためのルートを明示し、顧客と伴走しながら成功をつかむという意識が必要です。
具体例を挙げてご説明しましょう。アプリケーションのサブスクリプションで収益を上げている企業の場合、顧客の課金継続率を維持することが命題となります。言い換えるなら、顧客のチャーンレート(解約率)を下げることを目指さなければなりません。
従って、カスタマーサクセスの役割としては、顧客の要望を聞きながらアプリ開発にフィードバックしたり、ツール利用率を上げより多くの機能を利用したり、顧客にメリットが生まれるような提案を行います。
企業にとって、顧客満足度の追求は生き残りのために不可欠な企業活動です。カスタマーサクセスが必要とされる理由として最も大きいのは、この顧客満足という概念が浸透してきたからであると言われています。
これまでの企業活動においては、マーケティングや営業などの顧客購入前の活動に重点を置いていました。つまり、どうやって商品やサービスを買ってもらうかという活動です。
しかし、WebやSNSの普及により口コミ効果が高まり、購入後の顧客が使用感などを広く拡散する時代になってきました。このことが、相対的に営業やマーケティングの重要度を下げ、顧客に満足してもらうこと、そしてリピートしてもらうことへとシフトしていきました。つまり、契約の継続こそが事業の生命線となったのです。
カスタマーサクセスは、この契約の継続性を支援する重要な概念です。そのためには、顧客の購買履歴をはじめとするさまざまな情報を適切に分析し、顧客満足度を高める有効な活動に経営資源を集中しなければなりません。
カスタマーサクセスの実行には、適切な顧客分析やチャーンレートの把握、アップセル・クロスセルの実行などをシームレスかつシステマチックに行うのがベストです。その手段のひとつとして、SFA(営業支援ツール)やCRM(顧客管理システム)などの活用が挙げられます。SFAやCRMによって、カスタマーサクセスに向けた自社内のセールス連携及び顧客化・商談化など一連のプロセスを適切に把握し分析できるようになります。
カスタマーサクセスの重要性がますます高まる競争社会においては、各種SFAやCRMを活用した顧客管理や分析を活用し、より効果の高いカスタマーサクセスを実現することが業績拡大の鍵を握っていると言えるでしょう。
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