SFA導入に失敗した企業担当者の声
こちらでは過去、お客様から実際にご相談いただいた内容を元に、SFA導入が失敗するパターンをご紹介します。
A社 営業マネージャー
「上層部から『顧客管理はCRM、SFAといったデジタルで行ないたい。競合がそれで売上を上げている。』と言われ、SFAを導入するように指示が出た。いざ導入してみると、システム担当者や一部のマネージャーしか使わず、現場からは『面倒くさい』『前の仕組みのままで良い』と文句ばかり出ている。正直、ムリして使わせても監視しているみたいだし、もう解約しようかと思っている。」
B社 経営層
「データを可視化し、DXを図れば売上の向上が見込めると聞いた。ぜひSFAを活用して現場活動の見える化をしたいが、上手く現場に意図が伝わらない。評価基軸に『SFAにデータを入れているかどうか』も追加し、入力を促しているが、最近では、マネージャーやリーダーが社員の分をまとめて入れている、なんて噂も…。これでは、データが信頼できない。」
こちらの2社、どちらも費用をかけてSFAを導入したものの、導入後の運用が上手くいっていません。SFAを入れればDXが進み、お客様の満足度も上がるはずなのに、何故でしょうか。
実は、SFAの導入にはある重要なポイントがあります。2社ともこのポイントを見失っていたがために、導入がうまくいっていないようです。ここからはそのポイントについて、ご紹介します。

SFA導入を失敗しないためのポイント
1.SFA / CRMで達成したい目標を明確に決め、各部署にKPIを設ける
先ほどのA社では、担当者の頭の中では「SFAの導入」がゴールになってしまい、その後の運用で得られる効果については明確なイメージがなく、「なんとなくうまくいくんだろう」といった曖昧なビジョンしかありませんでした。
しかし、部署の垣根を超えて情報の連携が必要なSFAは、明確なビジョンや目標がなければ、推進することはできません。またSFA / CRMはあくまでただの情報を入れるための“箱”であるため、その箱にどんな情報を入れて、どういう効果を目指すのかは、あくまでその企業ごとに成し遂げたい目標によって異なります。
SFAを導入する上で、達成したい目標を明確に設定し、それをどうすれば達成できるのかをドリルダウンし、各部署へ定量的なKPIとして設定することが望ましいです。
例)達成したい目標(売上〇%UP)を最終ゴールとしつつ、その達成のためのKPIとして、メールや電話、訪問などの“顧客接点”以外の時間を30%削減し、営業活動量を4倍を目標に。また引継ぎにかかる期間を半分以下にし、直行直帰率を50%UPさせる。
2.「達成したい目標」を伝え、価値を分かってくれる人を一人でも多く増やす
SFAの推進は、決して一人ではできません。「営業活動支援」として色々な用途に使える広義のシステムだからこそ、各自が好きなように使ってしまうと文字通り“カオス”な状態になり、データが標準化されず、分析などに使えなくなってしまいます。
あくまで「現場の活動データを標準化、定量化して、分析できるようにすること」がマネジメント目線でのSFA導入の目的です。そのため、実際にSFAにデータを入れる営業現場にも同じ目的に共感し、価値を理解してもらう必要があります。
推進者の独りよがりではなく、組織全体のために、「なぜこのツールを導入するのか」ということを明確に伝え、共感して一緒に推進してくれる人を一人でも多く増やし、現場に伝えていくことが重要です。
3.トップダウン × インセンティブ × メリットを組み合わせる
達成したい目標を伝えたとしても、トップダウンのメッセージには推進力はあるものの、持続性がありません。「いいね」と思ってそこで行動が止まってしまい、継続的にデータを入れ続けることには繋がりません。
そこで、トップダウンメッセージに加えて、データを入力してくれた人への「インセンティブ」を組み合わせて推進していくことが着実な定着化のカギになります。推進者から導入の目的とビジョンを伝え、SFAを活用して営業活動量がアップした人や、売上・利益率を達成した人へ報酬をつける仕組みです。
SFAにはマネジメント目線ではもちろんのこと、入力者側にも「入力がラクになる」「過去の履歴が分かり、営業がしやすくなる」「勝ちパターンを見出すことが出来る」といった多くのメリットがあります。しかし、メリットを享受できるまでにはある程度、期間と習慣化するまでに慣れる時間が必要なため、その間を埋めるのが「トップダウンのメッセージ」と「インセンティブ」になります。