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【Salesforce × UPWARD】今、本当に求められる“営業DXのカタチ”

DXの必要性が高まり、企業や営業組織におけるデータの活用が注目される中、顧客を基盤とした営業組織への変革に欠かせないソリューションとして CRM(顧客関係管理システム)が急激に普及しています。
そんなCRM市場において世界トップシェアを誇り、効率的に顧客と継続的な関係構築を行なうプロセスモデル「The Model」を日本のビジネスシーンに浸透させたのが株式会社セールスフォース・ジャパンです。
新たな営業組織のカタチ
を拡げてきたSalesforceは、 Salesforceが使いやすくなるパートナーアプリを集めたSaaSマーケットプレイス“AppExchangeを運営。 営業DXを更に高度に実現していくために、位置情報を活用してSalesforceにシームレスに顧客接点データを紐づけ、企業の資産へと変えるセールスエンゲージメントサービス「UPWARD」もそのひとつです。

このたび、さらに新たな連携を探るため、Salesforce × UPWARDのトップ対談を実施。 今、本当に求められている営業DXのカタチとは。これからの未来を見据えたCRM活用と、Salesforce × UPWARDで実現を目指す、その先の世界についてお伝えします。

浦野 敦資(株式会社セールスフォース・ジャパン 専務執行役員 アライアンス事業統括本部 統括本部長)
1973年和歌山県生まれ。大学院卒業後、1998年日本IBMに入社。新規開拓専任営業として中堅の製造業、サービス業界等を担当したのち、2002年9月、株式会社セールスフォース・ドットコム(現株式会社セールスフォース・ジャパン)に入社。大手ハイテクメーカー営業部門長、官公庁および大手金融担当営業本部長、エンタープライズ製造営業第一本部長兼関西支社統括を歴任後、2022年2月より現職。

金木 竜介(UPWARD株式会社 代表取締役社長 CEO)
1973年東京都生まれ。LBS(位置情報サービス:location-based service)やGIS(地理情報システム:Geographic Information System)に精通し、これまでに200以上のGIS関連システムを構築。国内初となるSalesforceと地図や位置情報を高度に連携させた、次世代型営業支援SaaS「UPWARD(アップワード)」を創業。現在、大手企業を中心に300社以上に導入されており、フィールドセールス向けのクラウドサービスとしては国内トップシェアを誇る。

目次

今、求められる“営業DXのカタチ” - CRMの現場活用が変革をもたらす -

金木:浦野さん、このたびはオフィスまでお越しいただきありがとうございます。
様々な社会情勢を背景に営業DXが注目を集める中、この対談を通じて改めて我々の連携についてお話しできればと思います。

浦野:改めまして、セールスフォース・ジャパンにて専務執行役員ならびにアライアンスのトップを務めております、浦野です。
私は日本IBM営業を経験し、セールスフォースに入社してからもダイレクトセールスを担当し、昨年まで金融、公共、製造業のお客様を中心に営業活動をしてまいりました。本日は営業DXがテーマということで、ここのご支援についてぜひ連携を深めたく、どうぞよろしくお願いいたします。

金木:製造業や金融業…まさに、私たちのサービスのお引き合いが多い業界ですね。
実は、セールスフォースとUPWARDには長い歴史があります。貴社のISVパートナー(※1)になったのがもう10年以上前になりますね。UPWARDは当初、SalesforceのCRMと地図を連携させたロケーションインテリジェンス(※2)のアプリケーションとして誕生しました。

(※1)ISVパートナー… Independent Software Vendorの略。Salesforceのプラットフォームを活用し自社開発を行なう独立系ソフト開発会社のこと
(※2)ロケーションインテリジェンス… 企業が持つ顧客情報などと地理空間情報を結び付けて視覚化し、意思決定に活用すること

2021年には地図の連携のみならず、欧米でも注目されている“セールスエンゲージメント”の領域でより高度なアプリケーションソリューションとしてサービスを展開し始めました。
これまで提供していたSalesforce内のデータを地図へ可視化する機能に加え、位置情報技術を活用して現場のセールスパーソンの顧客接点データをタイムリーにCRMへ記録し、セールスエンゲージメントを支援する、といったことに取り組んでいます。

顧客の変化に応じたビジネスプロセスの変革

浦野:直近営業DXについて経営層の方とお話しすると、やはり危機感は皆さん持たれていますね。根底には、「ビジネスプロセスそのものを変えてなくてはいけない」という意識があります。
時代の変化に応じてお客様の購買パターンが変わり、情報を獲得するスピードも圧倒的に速くなっています。メーカーよりも先にコンシューマーが情報を獲得していることもありますので、従来通りの営業のやり方では通用しないことが増えてきています。
そこで私たちは、デジタルマーケティングによる営業のオンライン化や、そこに伴うインサイドセールスという仕組みなどのご提案を行なってきました。お客様の購買行動に合わせるために、「まずはCRMを入れなくてはいけない」「インサイドセールスにチャレンジしよう」「デジタルマーケティングも必須だ」という傾向が一気に加速したのが、このコロナ禍での2年間だと認識しています。

金木:今までだとCRMを「導入」するのみで終わっていたお客様がほとんどだったのが、デジタルマーケティングなどできちんと「活用」を意識されるお客様が増えてきた印象がありますね。

浦野:あとは、特に製造業ですとまだまだ電話EメールFaxでオーダーを受けているような環境もあるので、生産性にも課題がありますね。

金木:アセットがすべて会社にあるのでリモートワークができない、といった声はよく散見されますね。

浦野:こうした流れの中で、BtoBコマースのようなオンライン上でオーダーを受け入れるような環境を作っていこうとする動きも見られます。やはり時代顧客変化に合わせて、いち早くより良い仕組みを取り入れていくデジタル変革が重要になっていますね。

CRMを現場で有効活用するために

金木:Salesforceのプラットフォームって、ものすごくパワフルですよね。しかし、実際の営業現場を見てみるとそのパワフルさを活かしきれていないというのが現状です。

浦野:そうですね、経営層が大きな青写真を描いて導入するものの、現場から入力されないことに悩んでいるお客様はたくさんいらっしゃいます。
CRM導入における投資対効果
では、正確なデータをもとにして「どんなプロセスであれば売上・利益貢献、引いては社会貢献ができるのか」が見えてくることがポイントです。DDDM(Data Driven Decision Making)という、経営層だけでなく現場でも正確なデータを見て意思決定できる、データを活用しながら仕事ができる、という状態。これを私たちは目指しています。
しかし、この考え方を全社員にご理解いただくのは非常に難しい。CRMに入れるデータはどうしても「人の手」で入れるというプロセスが入るものなので、これがもし正確でないデータであれば、ビジネスは上手く回りません。

金木:データの正確性現場での活用という観点では、僕らのようなアプリケーションプロバイダーがSalesforceを使いやすくする、という方向性はいかがでしょうか。

浦野:そうですね。UPWARDを通じて、スマートフォンと連携して「どこに行ったのか」が自動記録され、ワンタップで反映される。そうしてデータの正確性を挙げながら、現場サイドの入力するメリットとして個別最適化された有益な情報営業活動がしやすくなるようなデータを提供し、更に地図を使って活動しやすくして生産性を高くする… この現場サイドマネジメントサイド両面が重要なんだろうなと思います。

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日本のSaaS市場の未来

金木:国内SaaS市場ですが、現在では8,000-9,000億円規模であるものが将来的には10兆円規模まで伸びていくと言われています。
浦野さんは長年のセールスフォースにおけるキャリアの中で、日本のソフトウェアが段々とSaaSに変わっていく過程を見られていたと思うのですが、やはり今後も大きくなっていくと肌で感じていらっしゃいますか。

浦野:はい、拡がっていくと思います。
私が入社したころは、そもそもインサイドセールスカスタマーサクセスという仕事はまだ国内にありませんでした。今や当たり前のようにインサイドセールスの組織があり、デジタルマーケティング機能を通じてホットリードからアプローチできる、という世界になりました。
私たちが今考えているマーケットや仕組みから、より広大なマーケットと新たな仕事が、今まさにこの瞬間にもできつつあるのではないかと考えています。

金木:本当に目まぐるしく時代が変わっていますよね。
浦野さんとは同世代ですが、スマートフォンで業務を行なうなんて考えられなかったくらいですから。僕も20年前は、BlackBerry向けSalesforceを使って売っていました。

浦野:ああ、2002年は私もBlackBerry使っていましたね!

金木:当時は画期的でしたけど、今考えるとすごくレスポンス遅かったですよね(笑)。
そう考えると、今僕らがやっているフィールドセールス現場の領域というのは、既にスマートフォンからビジネスデータを見て、クラウドに繋げてデータを入力するというのはもう当たり前になっている。こうしたデバイスの進化も、マーケットを拡張している理由の一つですね。
僕らはモバイルデバイスを活用して、顧客接点を活動データとして自動取得していきたいなと思っています。それがいかに商談に結び付いたのかお客様の満足度に繋がったのかを可視化したいな、と。
正直なところ、現場のセールスパーソンって何もしたくないと思うんです。SalesforceやUPWARDのサポートによって、スケジュール作りお客様とのタッチポイントの可視化自動化されるのであれば、あとはお客様とお話しするだけになるので、より働きやすくなるんじゃないかなと。

浦野:それこそルートセールスをされている方は、本当にお忙しいですからね。1日に10拠点まわる方もおられるので、入力する時間などは極力減らしたいですよね。

金木:そうなんです。そういう世界を、一緒に作っていきたいなと考えています。

ビジネスアプリケーションの未来

金木:浦野さんはご自身でも長く営業活動をされていましたが、エンタープライズに求められているビジネスアプリケーションの世界というのは、今後どのように変わっていくと予測されていますか。

浦野:今まさに製造業の分野でやろうとしているのは、Webサイトのアクセス履歴など、匿名データを活用して「自社にない商品で、顧客が欲しているものは何か」を獲得していくことです。
ITの進歩のおかげでかつてより大量のデータトランザクションを捌けるようになっていますので、営業が顧客接点で得られるデータに加えて、そうした匿名データを使って戦略を立てていく、といった流れが起きてくるのかなと考えています。

金木:そのためには、顧客情報各ビジネスアプリケーション企業の持つシステムとの連携性が非常に重要ですね。

浦野:必須ですね。「サプライチェーンの情報を繋いでいきたい」、「未だにExcelで連携してしまっているので、スムーズにかつリアルタイムに繋げていきたい」といったニーズも増えてきています。
ここを叶えるためにはAIエンジンも必要になるかと思いますし、UPWARDのような地図などで分かりやすく可視化する機能というのもまさにこういったニーズに応えられるソリューションだと思います。

金木:ありがとうございます。実はUPWARDというアプリケーションには、あまりドメスティックなテクノロジーが使われていないんです。プラットフォームもSalesforceですし、地図も世界中で使えるので、将来的には海外展開も考えています。
アジア地域
には特にオフラインのビジネスマンがたくさんいると思いますので、そこはまた貴社にもぜひ繋いでいただき、ご支援いただきたいなと考えています。

浦野:素晴らしいですね。私自身も、ISVパートナーの皆さまには世界に進出していただきたいという想いがあります。
できる限りご支援して、一緒に成功に繋げていきたいなと思っています。

金木:本日は貴重なお話、ありがとうございました。

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