令和2年7月豪雨 罹災証明書の発行業務におけるモバイルCRM「UPWARD」の活用
令和2年7月豪雨におきまして、UPWARD株式会社は株式会社システムフォレストと連携を図り、熊本県人吉市、熊本県球磨村、熊本県相良村にUPWARDライセンスの無償提供を行ないました。
位置情報とCRMを掛け合わせたモバイルCRM「UPWARD」の無償提供を行なうことにより、罹災証明書のスピード交付を実現し、証明書発行のスピードは2016年熊本地震の水準を大きく上回りました。
<罹災証明書とは>
1:大雨により被害のあった住宅について、被災者からの申請を受け、市町村が被害の程度を証明する書類
2:被害の程度については、市町村が住家災害認定調査により判定
3:被害の程度が、全壊、大規模半壊、半壊などに分類され、程度に応じ、手当の支給、固定資産税の減税、水道料金の減免などの保証が行われる
罹災証明書は、被災後に公的な支援を受けるために必須となる書類です。被災された住民の方は、速やかに手に入れる必要があります。
まず、自治体職員の方が罹災証明書の発行のために被害状況の調査を行ないます。今回の場合、調査を行ないつつ、同時進行で申請の受付も行なったため、UPWARDをご利用いただいたのは以下の場面となります。
1:申請者の住居情報と調査対象物件の位置情報の確認・修正
2:UPWARDモバイル画面にて調査対象物件を可視化
3:地図上で被害状況や申請書発行の進捗を可視化
罹災証明書発行業務は、スピード・正確性/公平性・情報集約の3点が重要
令和2年7月豪雨においては、コロナ禍で罹災証明書発行業務に携わる職員数も限られる状況でした。いち早く住民の方に支援を届けるためには、下記の3点が重要なポイントとなります。
(1)スピード
第一に重要になるのがスピードです。水害の場合、浸水などによる住居の被害が甚大なため、早期の再建のために迅速に現地調査を行ない、罹災証明書を発行する必要があります。UPWARDを通じ、地図上のデータを確認しながら現地調査の情報と突合することで、速やかなデータ入力を促進しました。
(2)正確性・公平性
続いて正確性・公平性も重要です。実際の被害状況に沿わない判定を行なってしまったり、発行の漏れやダブりが生まれてしまうと、その後の支援内容に影響が出ることになります。クラウドサービスによる情報管理を行なうことで、緊急事態であっても正確性・公平性を保つことが出来ました。
(3)情報集約
また、コロナ禍での災害対応においては、情報の集約という面も重要になります。三密を防ぐため、インターネット環境が不安定な中でも多拠点・少人数での対応が必要となりましたが、クラウドサービスを用いることで、モバイルWi-Fiでもシステムを無理なく稼働させ、リアルタイムで情報を集約することが出来ました。