
ハイパフォーマーを分析する
従来、営業のハイパフォーマー分析や標準モデルの設計には、人事部などの協力のもと、膨大な時間と労力をかけて、担当者の属性/実績データを分析し、現場にも相当の負担をかけてインタビューのキャラバンをしてきました。
しかし、現在はWork Logを組み合わせることで、ハイパフォーマーの特徴を特定し、成長させるための「イベント」が何かを明らかにすることができるようになりました。
ここでいうイベント(特徴点)とは、ハイパフォーマーに共通する因子を意図しており、例えば、資格数や資格レベル、顧客とのコミュニケーション量などを指します。

このように特徴点を明確にし、経験分析を定量的に行うことができることで、再現性をもって、セールスイネーブルメントの施策を設計、オンボーディングをモニタリングすることができるようになるのです。

ザイオンス効果(単純接触効果)を武器にする
事例の実行効果の解説中に、Work Agent機能を利用して、顧客への訪問タイミングなどをレコメンドすることに触れましたが、顧客とのエンゲージメントを構築するためには、顧客との接触頻度を戦略的に設計することが非常に重要なことなのです。
相手に好意的な印象を持たせるための心理的効果をザイオンス効果(単純接触効果)と言います。グラフを見てお分かりいただけるように、好感度は接触回数が2~10回までのところで急激に上がる一方で、10回を超えると上昇率は急激に落ちることが分かります。

マーケティングの業界ではすでにこうした心理的な効果を理解した上で、セブンヒッツ理論という考え方が提唱されるなどしてCMやデジタルマーケティングのキャンペーン配信などが組み立てられています。
顧客訪問を主としてきたBtoBでも同様に、特に直接対面で会うことが難しくなったニューノーマル時代の営業においては、いかにザイオンス効果を取り入れた営業を行っていくのかが重要な戦略となります。また、この戦略を成功裏に実行させるためにどのようにマーケティングやコンタクトセンター、そしてカスタマーサクセスなどが有する顧客情報を営業組織と統合的に設計し、横断的に利用していくのかが、今後もっとも重要な時代になると言えるのではないでしょうか。
顧客との接触頻度を高めるための武器はそろってきました。例えば、マーケティング情報を一つとってみても、名刺情報に始まり、メルマガなどの開封率の分析、自社サイトへのランディング、または回遊状況の分析などさまざまな行動(足跡)を容易に取得することができる時代です。このようなマーケティング情報を元に顧客の興味関心を事前にしっかりと理解した上で、Work AgentがWork Logを元に接触頻度を効果的にコントロールできるようになれば、商談効率は一層、高いものになることでしょう。