ビジネスアプリケーションのシームレスな連携で実現する新しい営業の世界

手島さん、前編ではコロナ禍での需要の変化やワークスタイルの変容におけるイノベーションの在り方についてお話しいただき、ありがとうございました。
この先これらの変化を受けて、ビジネスアプリケーションはどのように変わっていくのでしょうか。

分断された世界をどのようにシームレスに繋げていくのか、そこにどうやってイノベーションを引き起こしていくのかが、私たちの非常に大きなミッションだと思っております。各システム内のデータそれぞれがお互いに行き来でき、新しいインサイトを導き出すアルゴリズムをテクノロジーの観点からどう生み出していくのか。


その中で私たちは“ビルディングブロック”という発想を持っています。私たちのソリューションにはMicrosoft 365もあれば、Teamsもあります。ディベロッパーの方々にはGithubからのコミッティーもあれば、Azure DevOpsを活用いただくような世界も。こうした様々な観点から、お客様が必要だと思われるものをレゴブロックみたいに、お客様自身が色々な部位を組み合わせてテーラーメイドしながら、自分のビジネスに適応していけるような仕組みを作っていけるのか。そこが非常にチャレンジだと思っています。
もちろんマイクロソフトのソリューションだけじゃなく、様々な業界の皆さまが既にご利用されているテクノロジーとの連携を含めて、オープン性を大事にするということが、今注力しているところですね。


ありがとうございます。では今のお話と関連して、改めてなぜUPWARDがAzureに開発基盤の一部を移行したかという部分について、お話しできればと思います。
まず、我々がエンタープライズのお客様に多くご活用いただいているアプリケーションだということで、どうしても可用性と拡張性、さらにセキュアな環境が必要であるという点に着目しました。そこを自分たちで構築するノウハウが、まだそこまで我々にはない。そこをまずAzureにしたいな、と。あとはインターフェースとしてアプリケーションが繋がっているので、UPWARDでのインサイトを、色々なチャネルで提供できるというところもあります。

ちなみにこうしたAzure上で開発されているISVアプリケーション(※)においては、特に国内ではどういった流れが起きていますか?
(※)ISV…Independent Software Vendorの略称。ソフトウエアの開発・販売会社の分類の一つで、コンピューターメーカーなどのプラットフォームの事業者以外、またそれらの傘下にない独立系企業。

そうですね…色々な世界観はありますが、コラボレーションを目的としたビジネスアプリケーションの活性化が非常に重要になっているかなと感じています。実は他国でも、Teamsと連携できるアプリケーションは特に数多く開発されています。
またCRMやERPを分断することなく、一つのビジネスアプリケーションとして、イノベーションしたいというニーズの中でコラボレーション系のアプリケーションが、現在非常に増えてきています。日本でも増やしていきたいですし、UPWARDさんにもご尽力いただいていますので、皆さまから見た開発の観点での新しい気付きをご共有いただき、ぜひ我々にも力を貸していただきたい。その上で我々も他のISVの皆さまへの貢献をもっともっと、積極的にやっていきたいです。


僕らとしてもお客様目線でコラボレーションしてUX/UIを高めていきたいなと考えているので、それ前提のパートナーシップ、連携という考え方ですね。
我々のアプリケーションはUX/UIに非常にこだわっていまして、「6 UX Values」というサービスを通してユーザーに提供したい体験価値を定義して、「こういったUXを実現していこう」というプロダクトビジョンを掲げています。
僕らのテクノロジーは位置情報やMAP、CRM連携なんですが、改革・改善していくところの旗印はあくまでUXであり、そのためのテクノロジーであるという考え方を社内でも共有しています。シームレスで、使いやすい軽いアプリケーションにしたい。例えば、オフラインでも扱えるアプリケーションにするなど、フィールドならではの課題を解決したいなと思っています。
貴社もロードマップに掲げていらっしゃる「メタバース」という世界もありますが、ビジネスアプリケーションの世界でもそれが訪れようとしていると思います。私たちの立ち位置としてはロケーション情報と地図上の可視化がメインなので、まさに2次元のメタバースなんですよね。


3次元での世界でメタバースになり、そこでビジネスコミュニティができて、そこにお客様とベンダーが入っていき、仮想空間での商取引が始まっていくという世界ができるとしたら、現実空間と仮想空間を行ったり来たりするための入り口になりたい、と思っています。
僕らのインターフェースであれば、位置情報を使うので、いわゆるVRゴーグルをしなくてもARでビジネスアプリケーションとしての活用が実現できるかな、と。


位置情報もそうですが、直感的に情報にアクセスして、直感的なオペレーションをしていくことがどうしても大切だと感じていて。まだまだデータを入れるとか、データを見るとか、そこからどういう示唆を与えるとか、少し“固い”んですよね。
最終的には、これは貴社も目指す世界かと思うのですが、ビジネスアプリケーションをゲームのようにしたいな、と。そうすると、少なくともリテラシーが高くない方々でもそれを使うことに喜びを得てくれるだろうし、自然になる。ビジネストランザクションも増えていき、且つ無駄を無くして負荷を与えないため、そのビジネストランザクションの質も遥かに上がっていくと思います。